■屋根の結露について
- 1.結露水や雨水などへの対応策
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天気の良い日、特に降雨の後に晴れ上がった時などに、瓦の下に葺かれたルーフィングなどの下葺材の上に結露が発生し、発生した水が流れ出ることがあります。瓦裏面の温められた空気が、相対的に温度の低い野地または下葺材に接して発生したもので、雨水ではありません。
瓦屋根では、こうした結露水や、瓦の隙間から入った雨水に対し、瓦の下にルーフィングなどの下葺材を貼ることで対応しています。瓦を止めつける瓦桟で流れる水を止めることは雨漏りの原因になるため、水を軒先に流す工夫として、縦桟などを施工することを推奨しています。また、軒先でも下葺材の上を流れた水を雨どいに落とす工夫として軒先板金を取り付けることを推奨しています。
屋根に発生する問題として、長い年月の間に野地板が腐ってしまうという問題を耳にします。これは、冬などの外気温度の低い時期に、建築物内部の温められた空気が、野地板の周辺や下葺材の内側で結露をおこすことによって、野地板が濡れた状態になることによっておこる問題であると考えられます。換気や断熱などの建築物の構造的な対策が有効であると思われますが、屋根工事の分野でも透湿性のある下葺材を使用するなどの対応策が考案されています。
- 2.粘土瓦の優位性
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結露防止素材のしくみ
粘土瓦の裏面は、スレートなどの他の屋根材に比べ、瓦と野地板の間に空気層を多くもたせた構造となっています。この空気層が通気性を高め、放射冷却による野地板の温度低下を低減し、建物を傷める大きな原因「結露」を防止します。
また、建物においては結露以外に木材を腐らせてしまう要因「湿気」のコントロールが必要です。湿気は日常生活において常に発生し、温度とともに屋根へ上昇します。粘土瓦の屋根構造では、瓦と野地板の空気層が通路となって湿気を逃がすことができます。
他にも、素材自体の断熱性の高さに加え、この空気層は断熱効果も高めてくれます。